第10章 2012
パンは朝食べたし、カレーって気分でもなかったし
何よりよくわかんないのもあって
穂波と同じのにした。
ワンプレートになったランチは見た目も鮮やかで
味もすごく美味しかった。
「穂波せーんせっ。彼氏?彼氏?」
「かっこいいねーかっこいいねぇー」
穂波がくる前に来てた高学年くらいの小学生2人が穂波に話しかける。
『でしょー、かっこいいの。でもかっこいいだけじゃないんだよ〜』
研磨「………」
「えー?どういうことー?」
『ふふふ』
穂波は小さく手招きをして
2人の耳にこそこそと何かを話す
「「きゃーーーーーー」」
…え、穂波何言ったの。
何言ったらあんな風になるの。
『ふふ。またいっぱいお話もしようね。今日はここまで♡』
まだ話を聞こうとする女の子たちに
穂波がそういうと はーい と言って2人は母親の待つ席に戻っていった。
「………何言ったの?」
『…ふふ。内緒』
「………」
『高学年の女の子って面白い。かわいい。ちょっとしたことできゃーきゃーなるんだよ』
「…ちょっとしたこと」
『うん、ちょっとしたこと』
「………」
『…優しくて、かわいくて、スケボーも上手で、
いっぱい大事にしてくれる。一緒にいて安心する。
クリスマスにはお花をくれたんだよ って言ったの』
「………いやスケボーは」
『どれも全然、ちょっとしたことじゃないや。訂正しとくね。
全部特別でぜーんぶすごくありがたいこと。
その上、研磨くんは気持ちいいこといっぱい知ってる』
「…ちょっと穂波、もうおしまいにして」
このまま喋らせると、何を言い出すかわかんない。
『…ふふ。 一言でいうと、大好き。
大好きだよ、研磨くん』
太陽みたいに眩しいような
花みたいに安らぐような笑顔で
真っ直ぐに言ってくる。
調子が狂うどころか…
「いーなー、俺にも言って。ここにもいい男がいますよ〜」
ツトムくんがサービスサービス、と呟きながら
お茶とケーキを持ってきた
あぶな…遮られなかったら、キス、してたかも
選択してなくても勝手にアイテム発動しかねない。