第10章 2012
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「…じゃあ、おれ今日約束あるから」
玄関で見送られて部活に行って、
いつも通り練習して、
コンビニに買い食いに行くみんなにそう告げて去ろうとする
クロ「………何それ聞いてない」
夜久「ブッ 笑 研磨風」
山本「ゲームのイベントか何かっすかね」
夜久「だはは! ちげーだろ」
クロ「新妻と待ち合わせだろ」
研磨「………じゃ、」
もーなんでもいいけど、答えのも億劫だし。
…虎の声が聞こえる。 …うるさ
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「おー、研磨くん。いらっしゃい。ソファがいい?椅子がいい?今ならどっちも空いてるよ」
カフェに入るとツトムくんがにこやかに話しかけてくる
「…椅子にする」
「お。意外。 …でもご飯は椅子のほうが食べやすいよね」
「…ん」
中庭の見える席に案内される。
お客さんはほとんど女の人だけど、
カップルじゃない男の人もちらほらいる。
一人でカウンター座ってる人とか、二人で来てる人も。
「はい、水どうぞ。注文は穂波ちゃん来てから聞きにくるね〜」
「…ん」
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ゲームしながら待ってる間に
ツトムくんがあったかいお茶を持ってきてくれた。
小学生の女の子2人が母親の待ってるテーブルに合流する。
…穂波の生徒かな。
お昼時で、入った頃よりずいぶん賑やかになった。
こんな中でもにこやかに対応するツトムくんすご。
おれには絶対できない職種の一つだと思う
『研磨くん、お待たせ』
ゲームの手を止めてツトムくんを観察してると穂波が来た。
『…ツトムくんってなんか飄々としてるよね。
こんなにいそがしそうでも、逆にお客さん1人の時も変わらないあの調子で』
「…うん。すごいと思う。すごいな、って見てた」
『…ふふ。ね。 …お腹空いたよねぇ。なんにしよう。日替わりなんだろう』
ツトム「やっほー穂波ちゃんお疲れ〜」
ツトムくんが水を持ってやってくる。
『ツトムくん、今日も賑やかだね』
ツトム「ねー、今日天気いいし。日替わりはコロッケだよ。里芋とひよこ豆の二種類」
『わ!じゃあわたしそれにする』
研磨「あ、おれも。それにする」