第3章 歩み
「お邪魔しまーす」
「…麦茶、持ってく。先上行ってて。」
「おー、おかまいなく〜♪」
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「何から聞いたらいいのやらわかんねぇなー。
じゃ、まずホットな話題から。
研磨、キスしたの?」
「………気付いたらしてた。」
「…ほぉ、向こうからってこと? ん?研磨が穂波ちゃんにって聞いたけど…」
「向こうは寝てて、おれがほっぺたに」
(…はぁ、聞いても結局意味わかんねぇ)
「寝顔がかわいかったとか、そんな感じ?」
「…うん、まぁ、多分そんな感じ」
「それで起きたの?穂波ちゃんは知ってんのか?」
「…いや、気付いてないとおもう…」
「昨日はそれから何した?俺残ったから2人きりで帰ったはずだろ」
「習い事まで時間があるから、って△△駅前の店に入った」
「お茶したってこと?へぇ、で?」
「テスト勉強した。…おれのこともっと知りたいって言われた」
「…で?」
「ちょうどそうおもってたから、おれも。って」
「で?」
「習い事に行った。おれは帰った。」
「…………はぁぁぁぁ〜」
それからしばらく、クロの粘りの質疑応答は続き…
「…で、付き合うの?お前ら?」
「…え、別に。特に考えてない」
「魔性とか二股とかそういうタイプにはみえないけど、
穂波ちゃんには今、彼氏、いないんだよな?」
「……知らない」
(天然たらしって可能性はあるよなぁ…)
「キスしたの、噂みたいに本人の耳に入っちゃうんじゃない?」
「……それは今、考えてる」
「……もうさ、付き合う付き合わない、彼氏いるいないは置いといて、
研磨は穂波ちゃんにさ、惚れてんの?」
「………ホレテル?」
「恋、してんの?」
「………コイ……」
「………好き?」
「……………うん。好き。」
「…! なぁ研磨の好きってなによ?」
「……わかんない、そんなの。」