第10章 2012
朝ごはん食べて、歯磨きしてから制服に着替える。
「………?」
ズボンを脱衣所で履いて、
あったかいとこで着替えようと思って
インナーの上にシャツを羽織った状態でストーブの前まで来たときから
すごい視線を感じる
ボタンをかけながら穂波の方を向いたんだけど
「…え」
ほんとにずっと見られてる…
「…穂波?… 弁当包めた?」
『…え、あ、うん。…包めたよ』
ネクタイを閉めながら受け取りに行くと
穂波が飛びついてきた。
「………」
『研磨くんは本当にかっこいい。…かっこいいね。どきどきしちゃう』
…ヨクワカンナイケド
そっと腕を回して抱きしめる。
『…キスして』
「…ん」
向きを変えながら、
啄むように口付ける
最後に長いキスをして
ゆっくりと唇を離す
「…ん。服着る」
『…ん』
ベストを着てから
ブレザー羽織って、マフラー巻いて。
「弁当、ありがと。 …じゃあ、おれ先いくね」
『うん、後でね。いってらっしゃい』
「…ん、いってきます」
玄関でもう一回、キスしてから家を出た。