第10章 2012
ー穂波sideー
洗い物が終わってお茶を飲みながら話してる途中で
研磨くんが何か考え事をし始めて…
すこし興奮してるような、
なんだか嬉しそうな感じですごく可愛くて。
しばらく声をかけずに眺めてた。
それでもなかなかこっちの世界に帰ってこなくって、
一度名前を読んでみたんだけど、聞こえてないみたい。
カラになった湯飲みにお茶を注いで、
また研磨くんのことを眺める。
結構長い時間経ったと思う。
…そろそろお腹も落ち着いてきたしお風呂入れようかな。
『おーい。けーんまくーーん』
試しにもう一度呼んでみたらこっちの世界に帰ってきた。
狐につつまれたみたいな表情をしてる。
…邪魔しちゃって申し訳ないけど……かわいい。
お風呂にお湯を入れることを伝えて、
お湯が入るまで研磨くんをそっとしておくことにする。
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ストーブの前に座って本を読んでいると
〜♪〜
お風呂が沸きましたよって音がなる
この間研磨くんのぼせちゃいそうになったし、先に入ろ。
『研磨くん、先に入ってるね』
「…ん。すぐ行く」
『ゆっくりでいいよ〜』
先に入って髪も身体も洗って湯船に浸かる
映画、何観ようかな…