第10章 2012

『研磨くん、今日さ、上で映画観よ？
スクリーンでゲームも楽しいかなって思ったけど、今回は見送って。
あ、でも研磨くんは映画みてる間も、もちろんゲームしてていいよ』




洗い物が終わって、カップにお茶を注ぎながら穂波が言う。





「…ん」






スクリーンでゲーム………

やばい。夢みたい。







「…スクリーンでゲームって、マリオカート？」

『…ん？ううん、なんかいつも研磨くんがやってるようなやつ。
たまに覗くけど、背景とか綺麗だから、スクリーンで観たら映画みたいだろうなって思って』







…わ。それほんとやばい………








「…穂波はしないんだ」

『うん、わたしは研磨くんがしてるのをみるの。どう？』

「…いいね、それ」

『…ふふ。今度しようね。今日は映画でいい？』

「うん」

『あ、お風呂さ……』







どのソフトにしようかな…

…わ、すごい。絶対良い。

…あれ、ていうかPSPもケーブル買えば接続できるんだよな
え、うわ。ちょっとどうしよ………








『………くん？』






いやでもPSPじゃなくてやっぱWiiもいいよな…

え、春に発売されるソフトも…

でもあれもいいし………………








『おーい、けーんまくーーん』







「…え？」






『…笑　ごめんね、話しかけて』

「…いや、ごめん何だった？」

『ううん大したことじゃなくって。でも、しばらく様子見て待ってたんだけど帰ってこないから…つい』

「…あぁ」

『お風呂、そろそろいれよっか。一緒にはいろ』

「…ん。入る」







スクリーンで何するか
考え出したら止まんなくなってた…