第10章 2012
ー研磨sideー
始業式が終わって、おれらは部活
2年になったら割とすぐインターハイだから
三学期だっていうのに部活漬けだ
穂波は部室に台湾のお土産を置いて帰った
また、小さな紙袋に名前が書いてあって小分けされてる
おれにもある
のど飴が入ってて、この間の質問の意味が多分わかった
…来月、穂波誕生日だな
あげたいものはなんとなく決まってる
けどどこで買えばいいのかとか見当もつかない
…またツトムくんに相談に行くかな
慣れたら結構話しやすいというか、一緒に居やすいし
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翌日。
一緒に弁当を食べてる
「…あのさ、穂波。土曜の午後、会えるかな」
『あ、土曜日か。…えっとね、お兄ちゃんの大会があって。
土曜が初日なんだけど、いい具合に進んだら翌日もあるから観に行く。
だめだったら家にいる。多分、土曜の夜の便で福岡に行くと思う』
「あ、そっか。いまお兄さんいないんだ」
『うん、えっとね、水曜に帰ってくるよ。3人とも』
「あれ、え、いま穂波家に一人?」
『あれ、言ってなかったか。うん、水曜まで一人。
土曜にもし行ったとしても日曜の夜には1人で帰ってくる』
「………」
『泊まりに来れたら来て欲しいよ。でも学校あるからお母さん、どうかな』
「んー、でもなんか穂波と仲良いし、良いって言うかも。
心さんとシゲさんとクリスマスの時話してから、大丈夫な感じがするし…
成績落とさなければ、まぁ基本。…どうだろ。聞いてみる」
『うん、嬉しい。無理なくね。 …土曜は何か用事があった?』
「あ、いや、えーっと。…お兄さんに会えたらなって思っただけ。水筒のお礼とか…」
ちらっとみると
穂波はまた、花みたいに笑ってる
『…嬉しい。お兄ちゃんも会いたがってる。またそれは日にち合わせようね』
「…ん。 …明日泊まれたら行っていい?今日母さんに聞いとく」
『うん、研磨くんにはいつだって来て欲しい。泊まりは無理でも夕飯だけでも』
「…ん」
『研磨くんは土日はどっちも部活?』
「うん、土曜は半日。日曜は1日。」
『そっか、盛りだくさん。頑張っててすごいなぁ』
「…んー」
明日穂波ん家行けるといいな