第10章 2012
「…穂波、今日夜予定あるの」
トイレから戻った研磨くんに聞かれる
『…ん?特にないよ、けどそろそろ行こうかな』
「母さんたちそのまま夕飯食べてくるって
穂波、ご飯一緒に食べよ」
『…うん、いいよ。家に連絡するね』
「…ん」
・
・
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『何食べようね。お家で作る?…こういうとき研磨くんはどうするの』
「…んー、あんまないからな。大体家にいないとき冷蔵庫に何か作って置いてあるから」
『温めて食べれるようにかぁ…素敵』
「…穂波なんか作って」
…かわいい。
なんだか今日の研磨くんはいつになく甘えてくるというか。
なんというか。
『うん、いいよ。冷蔵庫にあるものでしよっか。…冷蔵庫、開けるね』
冷蔵庫には鶏もも肉があって、
野菜室には三つ葉があった。
出かけて帰ってきてさっと作れる、親子丼。
作ろうと思ってたのかも。
『親子丼にしよっか。多分、そのつもりだったのかなぁって思うし』
「…うん。もう作る?」
『お腹空いてる?お鍋にお味噌汁も残ってるし、すぐできるけど…』
「ううん、まだいい」
『…ん』
…何かしたいことがあるのかな
大根使わせてもらって、付け合わせのサラダでも作っとこうかな。
『…じゃあ、付け合わせだけでも作っておこうかな。
その間、研磨く………ん?』
野菜室を開けるために屈んだとこを
後ろから抱きしめられる
「上行こ」
『…ん。…これ作ってからでもいい?』
「すぐできる?」
『…ん、すぐだよ。切って和えるだけ」
「…じゃあこうしてる」
………?