第10章 2012
ー穂波sideー
久しぶりに、
しかも炬燵で食べる雪見大福はとても美味しかった。
すこし柔らかくなったアイスが好き。
雪見大福は求肥も一緒にねっとりとしてくるのがいい。
研磨くんは大きなあくびをすると
ずるずると溶けていくみたいに
炬燵に潜り込んで横になった
「…穂波、食べ終わった?」
『ん。」
「…ここ、きて」
研磨くんの頭のすぐ横の床をとんとんってしながら言う。
…それ反則だよ
わたしも炬燵に潜り込んで
研磨くんの方を向いて横になると
手のひらにキスをしてくれる。
それから手をぎゅっとにぎって
炬燵の中で足も絡めて
研磨くんは目を瞑ると、すぐに寝息を立て始めた。
…猫みたい。
髪の毛とか頬とか触りたい。
けどぎゅっと握られてるからそれも解きがたい。
ぼんやり寝顔を見つめているうちに
わたしも眠たくなってきた。
・
・
・
喉がカラカラで目が覚める。
研磨くんは居たはずのとこにいなくて
丸まって布団の中に潜り込んで
わたしの胸に顔を埋めるようにして寝てる。
苦しそうだし、暑そうだし…
でも猫みたいでやっぱりかわいい…
そっと起き上がって
研磨くんの顔にかかってるお布団を上によける。
水筒でお水をごくごくと飲んだ。
こたつで寝ちゃうとなんでこんなに喉が渇くんだろ…
もう外も真っ暗だなぁ…
冬はほんとに日が暮れるのが早いなぁ…
ぼーっと窓の外を見てると
ぎゅっと腰に腕が巻きつく
「…喉からから………穂波水とって」
『…ふふ。水筒のでいい?』
研磨くんは目を瞑ったまま起き上がって
水筒を受け取る
「…はぁー……寝た」
『わたしも。さっき起きた』
「なんでこんなに喉渇くんだろ…」
『ほんとだよね』
「…ちょっとトイレ」
研磨くんが立ち上がる
「…ん?なんか着信いっぱいきてるな」
研磨くんは携帯を確認しながら、トイレに向かっていく