第10章 2012
あー、もう。
かわいい
空いてる手で顎を傾けて
唇を重ねる
啄むように優しく何度かキスをした
穂波の手が俺の首に回ってきて
より強く深く口付ける。
『…みかんの味』
「…ん」
ゲームしながらみかんを食べたから、
みかんのあじがした。みたい
もう一度軽くキスをして立ち上がる。
・
・
・
『…おいし。…久しぶりに食べた』
「…ね、美味しい』
ゆっくり食べると
最初と最後でアイスも求肥も柔らかさが違う
これが好き
穂波もゆっくり食べてる
『…ふふ、研磨くん。ここに粉がついてる』
穂波の人差し指が口元に伸びてくる
その手首を掴んで親指を舐めた
『!』
「…穂波もここ、アイスついてたから」
『…ん』
・
・
・
「ふぁーーー……」
こたつは眠くなる………
後ろにあるソファにもたれかかる
そのままずるすると肩まで炬燵に入って寝転がる
「…穂波、食べ終わった?」
『ん。」
「…ここ、きて」
床をとんとんと叩くと
穂波はお茶を飲んでから
おれの方を向いて寝転がる
手をとりそっと甲に口付けて、
握ったまま目を瞑る………
zzz…