第10章 2012
ー研磨sideー
いつもマリオカートじゃな、と思って
マリオパーティーにしてみた。
マリオカートのコース選択のときもだけど、
穂波はいろんなのが並んだ選択画面で、
すごくキラキラした目と声になって
すごいすごいと言う。
…それが、すごくかわいかったりして
協力プレイでもやってみるかと思って
そこから穂波に選んでもらって
4種類やったんだけど
まぁ穂波はわかってた通りで下手くそで…
でも操作は単純だから
こっちがタイミング合わせればなんとかなることも多かった
穂波にセットアップするみたいな感じ
これはこれで面白い
同じタイミングで一緒の操作をしないといけないのは
結構苦戦したけどなんとかクリアして、
次のゲーム選ぼうと画面を切り替えたら
『…ちょっと待って、やっぱりなんか協力じゃないのにしよ』
って、難しい顔をして言った
「…ブッ 笑 …どうして?」
『だって、研磨くん楽しくないかなって』
「…いや、楽しいよこれはこれで。ほんとに」
『…そっか、ならいいんだけど』
「…穂波は楽しい?」
『…うん、わたしはすごくわくわくしている』
「…ん。 でも違うのやってみよっか」
『…ん』
対戦モードにすると選べるゲームの数が
4倍くらい増えるので
穂波はぶんぶん振ってるしっぽが見えそうなくらいわくわくしてる。
のが、伝わってくる。
『いっぱいクリボーにする。名前が可愛すぎる』
いや、穂波がかわいすぎる
「…ん。」
こっちの方が気が楽なのか、
穂波はケラケラと笑いながらプレーしてた。
しばらくいろいろやってから休憩する。
もうすぐで15時。
「雪見大福食べる?」
『うん! あー面白かった』
穂波はほんとに楽しそうにそう言って
腕を絡ませながら肩にもたれかかってくる
「…ん」
…………。
「穂波、ちょっと雪見大福、とってくる」
目を瞑って肩にすりすりしてきてた穂波が
はっとしたように下からこっちを見上げてくる