第9章 ユーカリ
穂波がクッキーと一緒にお茶を出してくれる。
『カズくんのお母さんからの焼き菓子。フロランタン、美味しそう』
「…ん。ありがと」
カズ「穂波、台湾て南?」
『うん、そうだよ。行ったことある?』
カズ「春に東に初めていったけど、南もいいって聞いた」
『そっか、南いいよ。気候もいいし。ジョウポンってとこに今年初めていく』
カズ「あ、それ。それ言ってた。いいな。おれも穂波と海入りたい」
『うん、帰ってきたらまた年明けサーフィン連れてってもらお。
あ、今日周平来るって。カズくん顔みてく?』
カズ「…いや、いい。研磨と一緒に出る。周平はいまシーズン真っ只中でしょ」
『うん、1月2週目に新潟だったかな?で大会
来年はx-game出るつもりらしいから楽しみにしてようね』
カズ「x-gameかぁ… …研磨は?バレーの大会はいつ」
研磨「…夏。…でも別にあんま、興味ない」
カズ「うん、わかるけど。…研磨のバレーしてるとこみたくなった。さっきのキックフリップで。
研磨って身体能力高いの?」
…そんなわけあるか
研磨「いやそれは絶対にない。…あれはただ、カズマが上手いから。
カズマの動きに無駄がないからなんじゃないの」
カズ「ふーん」
…ほんとなんか、さっきのスケボーもだけど
カズマ、勝気な感じが強くなってる気がする。
おれに慣れてきただけなのかな
…穂波の上飛びこえた時、映画みたいでかっこよかったな。
研磨「…うん、カズマはおれが見てても上手いのわかる」
カズ「…それは知ってるけど。…今度大会出るんだよね」
『え!そうなの!』
カズ「…大したことないやつ。とりあえず慣らしで出るんだって
小3以下はキッズ部門だって。ヘルメット着用だし」
『カズくんはジュニアでも余裕で通用するだろうけど、
ヘルメットはするに越したことないよ』
カズ「穂波もしないじゃん」
『カズくんみたいなことしないもん。怖いの。』
カズ「怖い?」
『うん、カズくんが大事だから怖いよ』
カズ「…そっか。…じゃあまぁそうだね。」
…カズマ素直だ。
でも高いとこから飛んだり
手すり滑ったり
怖いもの知らずなとこがやっぱあるよな…