第9章 ユーカリ
ー穂波sideー
17:25
「穂波、おれそろそろ帰るね」
カズくんと並んで座ってゲームをしてた研磨くんが
ゲームをしまいながら言う。
『あ、そうだね。もうこんな時間。送ってくネ。カズくんも一緒だもんね』
「…ん」
カズ「…ん。もう終わる」
ダウンジャケットを羽織って見送りに出る。
「…俺ここからもう流して帰るから。明日も会お」
『うん、家でサーフボードパッキングしたり。なんやかんや家にいるからいつでも来て』
「…ん」
『今日もありがとう。またね!』
スケボーに乗って小さくなっていくカズくんを見送る
研磨くんは小さく手を振ってた
『研磨くん、昨日も今日もありがとう』
「…ん」
『帰ってきたら、また会いにいってもいい?』
「うん」
27日から7日まで台湾へいく。
10から学校。
帰ってきたらなるべく早く会いに行こう。
2週間もないのに、別れる前からまた会いたい。
離れてたって平気なのに、
でも傍にいれることがこーんなに幸せ。
それから駅まで何も喋らず歩いた。
『…じゃあ、研磨くん。良いお年を』
「…ん。穂波もね」
肩に手を添えてキスしてくれる。
駅でも学校でも
研磨くんからキスされることがあるなんて思ってもみなかった。
「台湾、いってらっしゃい。気をつけてね」
『ん。ありがとう』
改札を抜けて階段に向かう研磨くんを見えなくなるまで見送って家に向かって歩く。
今日の夜は周平の家族が来て、忘年会だ。
研磨くんのスケボー動画、みてもらおっと。