第9章 ユーカリ
ー研磨sideー
心さんたちが仕事に行って
家でのんびり過ごしてる。
穂波は床に座って
セルフマッサージ?してる。
ゲームをしようかなとカバンに手をかけたところで
穂波の携帯がなった
カズくんがくるっぽい
『カズくん来るって。わたしじゃなくて研磨くんに会いに来るって感じだった』
「…ん」
『ねぇ、研磨くん』
「…ん?」
『…こっち、来て』
「ん」
近づくと
手を伸ばしておれの腕を引っ張る
よろめいて
穂波の前に膝をつくと
首に腕が巻きついてきて唇が重なる
背中に手を回して抱きしめると肌に触れる。
そういや、背中が空いてる服着てたな
初めておれん家来たとき、背中が見えてて、
抱き寄せたら背中に触れて、
それも全部初めてだったのにな。
穂波の肌は綺麗で、
何度見ても、何度触れてもどきっとする。
でもあの時みたいにドギマギはしないな
なんかすでに懐かしい…
「あー、あったかい」
『…うん。あったかい』
「…」
『今年は近年稀に見る素晴らしい年でした』
「…?」
『研磨くんに出会えて嬉しい』
「…ん。あ、そっか。今日で今年会えるの最後」
『うん。…ユーカリとバラはドライフラワーにするね。
ラナンキュラスは持って行っちゃおうかな。笑
きっと検疫は大丈夫だよね』
「…持ってくの?」
『だってまだまだこれから開くから。研磨くんにもらった大事なお花だし…
向こうで空き瓶に活ける。』
…そっか、あの花びらがいっぱいの丸い花はこれから開いてくのか。
「…ん。ありがと。…なんか、嬉しいかも」
『…ふふ。幸せです』
「…ん」
♪ピンポーン♪
『あ、カズくんだね。ちょっと出てくる』
「…ん。もうちょっとだけ」
キスをして、
ぎゅっと抱きしめる
「…ん。いいよ」
『…ん』