第9章 ユーカリ
ー穂波sideー
「…一緒に入らないの?」
なんて聞かれると途端に恥ずかしくなる。
研磨くんに先に入ってもらって、
少ししてからお風呂に行く。
服を脱いで扉を開けると
研磨くんは湯船に使って天井をぼーっと見てた。
いつもは湯船に一度浸かってからいろいろ洗うんだけど…
今日は先に全部済ませちゃう。
研磨くん、先に入ってるとのぼせちゃうんじゃないかなって思ってくる。
「…あつ。のぼせる」
そう言って立ち上がって、
こちらに背を向けるようにしてお風呂の淵に座る
『順番逆だったね、ごめん』
「ううん、いいけど。誘ったのおれだし」
筋肉とかなさそうって思われてるけど(綾乃とかに)
程よくちゃんとあるんだよな…
男女問わず、背中の筋肉って色っぽい…
最後に顔を洗って、湯船に入ると
研磨くんも一緒に浸かる。
お互いに膝を曲げて向き合って。
…なんかこれ、恥ずかしいな。
「…こっち、おいでよ」
『…ん』
研磨くんに背を向けて
研磨くんの脚の間にすっぽりとおさまる。
はぁ、やっぱりこれ、安心する。
研磨くんは腰に腕を回して、
肩に顔をのせてる。
わたしは腕に回された腕に手を添える。
「…落ち着く」
研磨くんも落ち着くんだ…
なんか、すごい、うれしいかも…
「わたしも」
顔を向けて、口付ける。
しっとりとした、あまいキス。
ゆっくりとゆっくりと味わうように。
「…ん。…のぼせる。…さきあがるね?」
『うん、わたしもすぐあがる。部屋行っててもいいからね』
「…ん」
ブクブクブク………
研磨くんのことが好きすぎる、って
当たり前で耳にタコのことを
何度でも思ってしまう