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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第9章 ユーカリ


ー穂波sideー




ユーカリの色が落ち着くって、
研磨くんぽいな。



ユーカリは台湾に行く前にドライフラワーにしよう。
実もついててかわいい。








テーブルのとこにいた研磨くんが気付いたら後ろにいて
腰に腕を回して、肩に顔をしずめる。






「…終わった?」






お皿を洗うのが、かな。







『…うん、終わったよ』

「…ん」





首だけで後ろに振り向くと
唇が触れる。







優しくて熱いキス。







『…んはぁ………』






息をするときに、音が溢れちゃう
後ろからギュってされるのってそれだけでドキドキする。







研磨くんはそのまま、
耳の裏とか耳たぶ、首筋にキスを落として
また肩に顔を埋める。






「…すき」







………ズルい。







『…ん。わたしも好き。………研磨くん、』

「ん?」

『ケーキ、作ったの。…食べる?』

「…ん。食べる」







ケーキはフロマージュ・クリュ って
レアチーズケーキなんだけど、ゼラチンを使わないレシピのを見つけて、
美味しそうだったから初めて作った。

土台はざくざくとしたガレットぽい生地で
その上にチーズクリームの生地と缶詰のパイナップルを流して固めてある。

冷凍庫で冷やしたあと、
ごくゆるーく立てた生クリームを垂らすように周りにかけて
粉糖でお化粧して、ブルーベリーとパイナップルをトッピングした。
レシピの写真通り、お庭からローズマリーも摘んできてのせると
すっごく綺麗なケーキになった。






紅茶を蒸らしてるあいだに、
ケーキをホールのままテーブルに持ってく。



「わ、美味しそう」

『ね、初めて作った。…なんかさ、研磨くんから貰ったお花と雰囲気が似てる』

「…ほんとだ」

『…ね。なんか嬉しい』




真っ白なケーキに、ローズマリーの落ち着いた緑。
真っ白なお花と、ユーカリの艶のないスモーキーな緑。




『…写真撮っておこうかな。あんまり、普段撮らないんだけど』




つい忘れがちな写真を撮っておきたくなった。
何枚か撮って、こっそり研磨くんのことも、何枚か。










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