第9章 ユーカリ
階段上がったところのソファに座ってアルバムをみる
穂波の小学生時代。
普通にかわいいな。この頃から日焼けしてて髪も茶色っぽい。
「うわ…すごいね、なにこれ」
トイレットペーパーが家のありとあらゆるものに巻かれてて、
穂波やお兄さんたちも巻かれてる
『これ、小4のとき。笑
小さい頃好きだった絵本でさ
トイレットペーパーでミイラごっこしてるのがあって。
なんでかわかんないけどその話になって、そういう流れになってこれやったの。
お兄ちゃんが友達とトイレットペーパー買って来て』
「…ぶっ 笑」
『…笑 じわじわくるでしょ、このさ、鉢植えとかにも巻いてて…笑』
「怒られた?」
『えっとね、一応お兄ちゃんも資源は大事にっていうのがあるから、
みんなでなるべくしわにならないように畳んで片付けてさ、笑
数ヶ月それをトイレで使ったよ。笑 だから怒られはしなかった。』
心さんとシゲさんは
確かに、それをどうするかまでみてそう。
捨てようとしたらすごい叱られそう。
怒ると怖そうだな…
「…ぶっ 笑」
『あはは、時間差』
「……笑 だってこれ全部、
はしゃいだ後の人たちがちゃんと畳んで回収してるとか想像したら すごい面白い」
「ははっ 笑 シュールだよね。
わたしも思い出してたまに吹き出しちゃうもん」
ほんと面白いなー この人たち
丁寧に畳まれたトイレットペーパーが箱に詰めてある写真もちゃんとあった。
………笑。
『わたしも研磨くんの小さい頃の写真見たよ』
「え?」
『前、アップルパイ教わりに行ったとき』
「あぁ」
『研磨くん、かわいかったぁ。
いい写真いっぱいあったけど 泥だらけのクロさんと研磨くんが
バレーボール持って写ってる写真、すごく印象に残ってる』
「あぁ、あれね。そんなのもあったね」
『…ふふ。そんなのもあったね。っていいな。いいよね。平和』
「…そうかな?」
『…今はすごく平和な響きだった。』
「…ん」