第9章 ユーカリ
ストーブが焚かれて家の中があったかい。
おれの背より少し大きいくらいのクリスマスツリーには
金色の飾りと木でできた飾りだけがぶら下がってて、ごてごてしてない。
こういう感じなら、ツリーもかっこいいんだな。
上着を脱いでカウチに座る
穂波はお茶を用意しながら、
花をなんやかんやしてるみたいだった。
『…研磨くん、部活お疲れさま』
「…ん。穂波もレッスンお疲れさま」
『うん。…あ、これ少し食べない?』
「なに?」
『生徒さんにもらった。ケーキ屋さんのクッキー』
「…うん。いただく」
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『いつもクリスマスってお家で何かしてた?』
「…んー、一応。プレゼントがあって、夜ごはんが違うってくらい」
『うんうん。そうだよね』
「穂波ん家は?」
『小さい頃は家族で過ごしてたけど、小4の頃からはお兄ちゃんと留守番してた。笑
お母さんとお父さんはディナーに行くの』
…心さんぽいな
『でもだから、お兄ちゃんの自由!って感じで。
お兄ちゃんからしたら高一からの4年間だったから、だいぶはっちゃけてた』
「…なんかアメリカのドラマみたい」
『あはは!でもそのくらいはじけてたかも…』
「写真とか、ある?」
『あ、あるよ。上でみる?』
「うん」