第8章 栗と飴玉
身体を起こして穂波を抱きしめる
「…ありがと。…気持ちよかった」
こんなことわざわざ言う必要ないんだけど…
なんか、今日は。
『…ん、わたしも』
どちらともなく口付ける。
啄むように優しく、お互いを確かめ合うみたいに
顔の向きを変えるたびにさっきの余韻でなのか
穂波の身体が揺れて、腰が動く
「…ちょっと、まって」
今の今だったのに
また身体が反応しそうになるから、
繋がったままだったのをそっと引き抜いて、
一度軽くキスをする。
『お腹空いたね〜 あ、薪足さなきゃ… 』
なんか変な格好…って呟いてスカートを下ろして
裸の状態でストーブに薪を足してる。
綺麗な身体だな…
ブランケットを肩からかぶって、もう一枚を渡してくれる。
『湯船にもつかりたいけど…お腹も空いたしシャワーでいいかな。
上がったらストーブであったまろ』
脱ぎ散らかされた制服を整えながら穂波が言う。
「…ん、お腹空いた」
『ふふ。熱ーいシャワーさっと浴びよ。』
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シャワーから上がって制服を着る。
ブレザーは椅子にかけておく
穂波は水色のデニムに薄いカーキのカットソーを着てる。
カットソーは今日も首回りが空いていて綺麗な鎖骨が見える。
「…なんか、手伝う?」
『へ?あ。そっか。お腹空いたよね。もし作りたかったら一緒に作ろ』
「…ん。今日は一緒にする」
『これね、さっき炒めといたの』
フライパンにえのき、人参、油揚げとひじきが炒めてある。
『で、こっちはさっき研いでザルにあげといたお米。
これをさ、土鍋にいれて水をこのくらいまで入れてから
さっきのひじきを上に乗せてもらっていい?』
炊き込みご飯、食べたいって言ってたな。
これがそれか…
『あ、あとそこの瓶にある昆布も上に置いて、蓋をして火にかけてもらえるかな?』
穂波はさっき買ってきた鯖に塩をしながら言う。