第8章 栗と飴玉
文化祭2日目は昨日と違って、
音駒の生徒のためのお祭りで
全体的にに浮足立ってる感じにわたしまでわくわくする
「穂波ちゃんっ」
振り向くとノブくん。
「彼氏は?」
『静かなところにいる。笑 いま体育館何やってるかなって見に来た』
「昨日、いきなりごめんね」
『え、謝らないで。ほんとに嬉しかったよ』
「うん。分かるよ。嘘ついてないの分かる。
そう言われて衝動で抱き寄せちゃわない俺を褒めて欲しいくらいに分かる」
『?』
「あ、そうだ。今日誰かに告白された?」
『へ?誰にも』
「よっっしゃ。昨日のあれは牽制でもあるのである」
『ほぉ』
「俺が知る限りでもバレー部の黒尾も海も夜久も、今日告白されてたよ〜
みんなうはうはするんだよ特に2日目。だから俺は先手を打ったの」
『…うはうは』
バレー部の2年生、落ち着いてるし男気もあるものなぁ
みんな魅力的だよねぇ
「…じゃあ、俺今日も踊るからさ。来れたら来てね。今日はみるだけでいいから」
『あ、うん。すごい上手だったもんね。やっぱ今日も出るんだね。楽しんでネ」
そっかぁこの浮足だった感じはそういうわけなんだなぁ
すこしうろうろとしてみる
中庭の端っこに福永くんと1年生かな?女の子。
女の子がもじもじしてる。
きゃ!これは告白の現場だ。
みてはいけない!
研磨くんのいる部室に戻ろう。
…福永くんのこと好きになるなんて、とても良い眼を持った子だな。
小さくて前髪がぱっつんとしてて可愛い子だったな。
お友達になれるといいな。
部室が見えてきたところで、立ち止まる。
およよ!
あれはもしや研磨くんが女の子に告白されているのでは…???
一年生…っぽいな。山本くんと同じクラスの子かな。
これまた小さくて可愛らしい子だな…
きゃーどうしようどうしよう。
もう少ししてから戻ろう…どきどき
なんだかわたしまでそわそわしてきちゃう
踵を返して来た道を戻ると
誰かの胸に激突した
『ひゃっ、ごめんなさいっ。あ、クロさん』
「おぉ穂波ちゃん、悪い、あっち見てた」
あっちね、うん。あっち