第8章 栗と飴玉
「…まーいいじゃん?本当のことだし。 あぐぅっ…」
ステージに一緒に立ってるダンサーの人が
ノブくんのお尻に蹴りを入れる
『………。』
「…ちょっとみんな邪魔しないでよ〜笑
…えっと、俺が言いたいのは、いろんな女の子をみてきたけど、
穂波ちゃんみたいな子、他にいない。
…あ、他のみんなも一人しかいない、素敵な子たちばかりなんだけど〜…
あれー?えっとー
ま、いいや。
体育祭の時にちょっと興味本位で話しかけたら、ノックアウトされちゃった。
恋に落ちました。
俺と付き合ってください。」
『………。』
「…って言いたいとこなんだけど、
穂波ちゃんに彼氏がいるのも、
その彼氏と正反対っぽいのにすげーお似合いなのも
現在進行形でラブラブなのも
孤爪くんといる時の穂波ちゃんが幸せそうで
ムカつくくらいかわいいのも全部知ってる。
だから付き合ってください。は今は言わない。
けど、好きです。
さっき言ったの全部分かってても好きです。
だから、それを分かっていてもらいたくて。呼んだ。
来てくれてありがとう」
『……………』
これ、わたしは何かここで言うべきなのかな…
今分かったのは、ノブくんって少し私と似たところがあるかもってこと。
想いを話し出すと止まらないとことか…
考え方も、今聞いた内容に関して、では似てるなァ…
ぼんやりとステージの天井を見上げて考える
照明とかロープとか通路とかワイヤー?とか
ごちゃごちゃした天井
ごちゃごちゃしてて逆に落ち着くくらい…
………。