第8章 栗と飴玉
ー穂波sideー
教室に戻って研磨くんに言われた通り
携帯電話をもって体育館に行く
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「あれ〜まだいないかぁ〜。ま、いいや。もし見かけたら教えて〜!」
ステージでノブさんが話すのが聞こえる
何か、パフォーマンスをしてるんだなぁ
5人の男の人たち、みんな上下とも黒い服を着てでステージにいる。
ダンスかな?
音楽がなって、ダンスが始まった。
ブレイクダンスだ。
へぇ、ノブくんサッカーの他にダンスもしてるんだなぁ。
ダンスと一緒に音が止む。
「あれ、この子?だよね」
「来てるじゃん。運天さん」
周りがざわざわし出して、スペースが空く
「おーーい!ノブー!ここ!来てるよ〜!」
3年生かな?ステージに向かって叫ぶ
ノブ「あ!穂波ちゃーん!来てくれたー!」
!
わたし?
ノブ「穂波ちゃーん!おーい!ちょっとさーここに来てー!」
『へ?』
「ノブ、君のことずっとステージから探してたんだよ。行ってやって?」
さっき大声でノブくんを呼んだ3年生にそう言われてステージに向かって歩く。
うわぁ、みんなが避けて道ができる。
変な感じ。…苦手だ、こういうの。
『…ノブくん、なに?』
ステージの上で小さく尋ねる。
「ごめんごめん、驚かしちゃって。
変なことしないから、ちょっと時間ちょうだい」
ノブくんは頭をぽんぽんってしながら 屈んで耳元で囁く。
「じゃあ、ちょっと。お時間頂戴して、っと」
ノブくんは大きな声でそう言いながら、
後ろに下がって距離をあける。
「穂波ちゃん、俺ね、最初は可愛い子がいるなぁくらいに思ってた。
俺さ、結構女の子に好いてもらうことが多くて、他校の子とかにも話しかけられることが多くって」
「ブー!ブー!」
「それ要らねー!」
サッカー部のチームメイトからかな、
仲の良さそうな愛のある野次が飛ぶ