第8章 栗と飴玉
「黒尾さん!誕生日おめでとうございます!」
「黒尾!誕生日おめでとー!」
「クロ…誕生日おめでとう」
「クロさん!お誕生日おめでとう!」
クロはドアノブに手をかけたまま止まってる。
海くんはにこにこ微笑んでる
クロ「びっ………くりした………」
夜久「ひひぃ〜 ほれ蝋燭、蝋燭!」
夜久くんに促されてクロが火を消す
穂波は
わーい、クロさんおめでとーとか言いながらケーキを切りに行く
さーっと静かに福永がフォローに行くので、手伝いは任せる
福永って、頼りになるな… 精神的にも安定してるし
虎「黒尾さん、どっすか?おどろきました?」
クロ「お…おぉ、驚いたワ。こんなの初めて。
…っつーか、みんな呼び方もセリフもばっらばらだったじゃねぇか 笑」
夜久「それそれ!笑 事前に決めとくの完全に忘れたよね〜」
穂波がクロにケーキを渡す
『クロさん、17歳おめでとう』
クロ「ありがとう〜 おめでとうのハグして〜」
クロはケーキを持った手を脇に避けて腕を広げる
穂波は飛び込むようにクロに抱きついた。
研磨・クロ「!!!」
『おめでとう。それから、ありがとう』
そうだ、穂波、誕生日の日にはやたらおめでとうとありがとうを言ってたな。
ハグも、周平の時に、気にならないって伝えたんだ。
実際、穂波がする分には別に気にならないけど……クロの出方次第ってとこかな
………。
「…クロも、ハグ返さないの?しないなら、もう離れたら」
クロは固まってる
どうせまたかわしてくれると思って言ってみたら
ほんとにハグされて驚いてんだろうな
クロ「…じゃ」
そう言ってクロは穂波の後頭部を
すこし胸に押しつけて、数回撫でて
クロ「ありがと、穂波ちゃん。最高のプレゼント♡ケーキ食おー」
と言って穂波の肩を離す
福永がケーキを、穂波がお茶を配ってくれて、みんなで食べる
「…わ。…おいし。」
お酒の香りがキツくないんだけど、甘くしっかり香って
入ってる栗も、上のサクサクぼろぼろしたやつも
いろいろ全部美味しい