第8章 栗と飴玉
家に帰って、着替えを済ませて取り掛かる。
昨日レシピ本をいろいろ開いて、
栗のクランブルタルトを作ることにした。
9月に栗をたくさんもらって、
お母さんと一緒に仕込んだ渋皮煮も使える。
タルト台の生地を順番に混ぜて、
冷蔵庫で寝かせる。
クランブルって作るのも、食べるのも大好き。
今回のはバニラビーンズが材料に書かれてて、
想像するだけで美味しそう…
むはむはしながら
こっちは冷蔵庫にある冷たいバターを使って
そぼろ状の生地を作り、これまた冷蔵庫へ。
アーモンドクリームには
マロンペーストとラム酒。
ラム酒は徳之島で作られてるルリカケスをお母さんたちのお酒棚から拝借する。
飲んだことはもちろんまだないけど、本当にいい香りで、
お菓子に入れたときにマイヤーズのとは比べももにならないくらい、
いい香りがするんダ。
1時間くらい経ったら
タルト生地を伸ばして台に敷いて
アーモンドクリームを流し込む。
水気を拭いた栗の渋皮煮を並べて、
上にクランブルを散らして
170°で45分前後。
タルト生地を少し拝借して
1と7の数字に型抜きしたのも
鉄板に並べておく。こっちはあとで焼く。
この、オーブンに入れて、
洗い物を済ませ、
だんだん香りが立ってくる中で
お茶を飲みながらする読書の時間が
大好きな時間。
焼き上がったらケーキクーラーの上で覚ましておく。
クッキーも焼いて、
冷ましてる間にお風呂に入る。
文化祭が終わった次の週末、
カズくんとパークデートだ。
お弁当、何食べたいか聞いてみよっと…
この間の夜久さんたちとの会話を思い出す。
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夜久「そういや、カズくんとパークデート行ったの?」
『ううん、まだ行ってなくて』
夜久「パークってどこ行くの?」
『天気良ければ、池尻か八王子かで迷ってる。
雨だと距離あるけど足立区行くか、別の日にするか…』
夜久「…へ?」
『ん?』
夜久「パークってディ○ニーランドとか遊園地のことじゃないの?」
クロ「おれもそう思ってた」