第7章 アイテム
下に降りて、お父さんお母さんに挨拶をする。
「これ、穂波がくれた」
研磨くんはプレゼントしたカップを大事そうに机に置く
研父「お、貫入だ。白地の貫入、僕も好きだなぁ」
『え!本当ですか!わたしも大好きで…』
お父さんはにこっと微笑んで
研父「…ありがとう。研磨が君みたいな子に出会ってくれて嬉しい」
研磨「…ちょっと」
『…わたし、研磨くんに出会えて本当に本当に幸せです。まだ15歳ですけど…
研磨くんに出会わせてくれてありがとうございます』
研磨「…ちょっと、穂波も」
『だって、お父さんお母さんがいないと研磨くんはいないんだもん。
お誕生日だもん、ありがとうって言いたくなるの』
研磨くんのお父さんは
わたしのいきなりの告白にすこし不意を突かれたような顔をしてた。
驚かせちゃった…
研母「ふふ。こちらこそありがとう。
言わないようにしてたけど、ほんとのとこ信じられない。って思ってるの 笑
それくらい、私たちも喜んでる。
…研磨のことで何かあったら、何でも言ってね。
研磨、送ってくの?」
研磨「うん、自転車で家まで送ってくる」
研母「それならよかった。じゃあ、ご両親にもよろしくね」
『はい、遅くまでお邪魔しました。それから、ご馳走様でした。
……っあ!あと…』
研磨「………」
さっき下でお茶を飲んでるときに伝えたかったことが
別れ際に溢れ出てくる
『あ、あの…わたしの両親とかその友人とかが子供の誕生日を一緒にお祝いするときに、
小さい頃よく、その子の親に、周りの人が言っていたことで………
わたしが言うのも、…その…おかしいかもしれないんですけど……』
研父「うん、なにかな。聞いてみたい」
『お父さん16歳、お母さん16歳、おめでとうございます……』
研母「…あはは!初めて言われた〜
ありがとう穂波ちゃん。そうだね、わたしも研磨の母親になって16年かぁ」
研父「………」
研磨くんのお父さんが眼鏡をずらして目頭に手を当てる。
『えっ あっ そんなつもりじゃっ
わたし、ほんと馬鹿みたいに喋っちゃう時があって…あーっと』
研磨「…ブッ 笑」
…ブッ 笑?
何で研磨くん今笑ったのーーー