第2章 芽生え
ー穂波sideー
朝、海に入ってきたからかな。
だんだんまぶたが重くなって、いつのまにか眠ってたみたい。
ごんって机が揺れて、目が覚めた。
「…あ、ごめん。足、当たって…掃除のチャイム、鳴った」
…目を開けたその先にいたのは、研磨くん。
『…ん。寝ちゃってた?…研磨くん、大丈夫?』
「おれ?おれは大丈夫。穂波さんは、よく寝れた?」
『ん。気がついたらすとん、って寝てたァ。やっぱり海に入ると、お昼寝したくなっちゃう〜
すっきりしたぁ。 あ、掃除いかなきゃだね。私、今週女子トイレの当番!』
「…うん。掃除、しよ」
寝て起きて最初に見るのが青空バックの研磨くんだなんて!
すごい幸せ〜〜〜!
しかも今日、一緒に帰れるんダ。。。!
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帰る用意をして、研磨くんの席に向かう。
研磨くんはまた、携帯を触ってる。ゲームかな。
『研磨くんっ、帰れそう?』
「…あ、うん。ちょっと待って。クロに返事だけ
………おっけ。…帰ろっか」
『クロさん、何だって?』
「…今日は学校ですこし勉強してくって。めずらしい」
『そっか。気を使わせちゃったかな。』
「…ん?…あ、いや、多分大丈夫。明日はクロも普通にいると思う」
『…ふふ。クロさんと話してる時の研磨くんを見るのが好き。
でも今日は一人占め気分で帰ろうッ。ふふっ』
「………今日も、レッスン?荷物がおおいから」
『うん、レッスン〜』
改札を抜けて、ホームの電光掲示板をみると、
次は快速。その次は普通。
「…〇〇駅って、快速止まるよね」
『うん、でも今日はね、スタジオが△△駅なの。だから、駅まで研磨くんとずっと一緒。』
「…そっか。時間は?」
『んー、一時間ちょっとあるから、どこかお店入ってテスト勉強でもしておこうと思ってる。
研磨くんも、よかったら一緒に…』
「…うん。そうする」
やった!なんか放課後デートみたい。
付き合ってないけど…この感じを思い切り味わうんだもん!!!