第7章 アイテム
ー研磨sideー
午前中の練習が終わって、
弁当たべて休憩。
レッスン後に穂波がこっちにくるって言ってたな…
ゲームをしてたら眠たくなって少し寝た。
午後の練習始まって少しした頃、
穂波の姿をギャラリーに見つけた。
小さく手を振ると、
花が咲いたような笑顔が返ってくる。
かわい…
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練習が終わると、穂波が玄関のとこにいた。
『研磨くん、お疲れさま』
「…ん」
部室まで一緒に歩く。
「…レッスンどうだった?」
『楽しかったよ〜みんなかわいかった。
ゆっくりまずは一人一人が楽しめるようにって思ってる。
…教えると気付くことっていっぱいあるよね』
「…ん。」
『来年、バレー部にどんな子が入ってくるかなぁ。楽しみだね』
「…んー、別に、それは」
『…ふふ。そうだね。でもわたしは楽しみだなァ』
「…ん。」
こんな短い返事でも
楽しそうに話してくれるのはなんでなんだろ…
いつもよく喋るわけでもなくて
落ち着いてて、喋らない時間も苦じゃないし…
他の女の子のことはよく知らないけど
おれには穂波しかいないんじゃないかなって思う。
クロ「研磨ァ、先帰るぞー」
考えてたら、着替えるのが遅くなった。
ささっと着替えを済ませて外に出ると
もう帰ったと思ってたクロたちがみんないて
真ん中で穂波がケーキを持って笑ってる。
「…え?」
みんな「研磨、誕生日おめでとーう!」
研磨「………。」
明日だけど。こんなのされたことないし。
考えたこともなかった。
研磨「……ありがとう」
部室の前で動けないでいるおれのとこに
虎と福永がきて腕を引いて背中を押してくる。