第7章 アイテム
ー穂波sideー
金曜日、レッスンを終えて家に帰る。
夕飯後、昨日のうちに用意しておいた材料で、
林檎のタルトを作るのダ。
アップルパイは研磨くんのお母さんが作るのかな、と思って。
りんごのタルトって言っても、
カスタードのとか煮林檎とか いろいろあるけど、
タルト台もアーモンドクリームも林檎も一度に焼く
オーソドックスなりんごのタルトを作ることに。
タルトの生地をまとめて冷蔵庫で冷やしてる間にお風呂にはいって…
お風呂から上がったらアーモンドクリームを作る。
バター、卵、砂糖、アーモンドパウダーをよーく混ぜるだけ。
タルト台に伸ばした生地を敷いてフチを処理して、
アーモンドクリームを流し入れる。
薄ーく薄ーく切った林檎を花びらみたいに並べていく。
この作業とこの薄ーい林檎が焼けたときの色合いが大好き。
シナモンシュガーを振って180度のオーブンで30分くらい。
明日レッスンの後に生クリーム買って、
食べる前に泡立てればいい、かなぁと思ってるけど。
ホイッパー忘れないようにしなきゃ!
バレー部のみんなにお祝いされるのとか、
いやかなぁ、研磨くん。
でもなんか、大丈夫な気がする。
プレゼントはスケボーのデッキとか、ウエストポーチとか…
いろいろ迷ったけど、
お父さんの友達の陶芸作家さんの個展にいって、
貫入の綺麗なマグカップが2客あって、値段も手頃だったからそれを選んだ。
1つはわたしが使おうと思ってる。
使う場所は別々だけど何気にペアなのだ。うしし。
………明日ははじめてのレッスン。
保育園の年長さん〜小学校五年生が8人も来てくれる。
フラだから女の子ばかり。
みんなと仲良くなれるといいな。
ケーキが冷めたので蓋をして、自分の部屋に行く。