第7章 アイテム
・
・
・
カズ「…研磨はさ、バレー好き?」
研磨「………別に、普通かな」
カズ「………俺も、サーフィンとかスケボーとか別に好きじゃない」
周平(…いや、好きじゃなきゃできないと思うんだけど)
研磨「………ん。」
クロ「…好きじゃないのに、何であんな危ないこと練習できんの?」
カズ「…うーん、気持ちいいから、かな」
クロ「できたときが?」
カズ「…できたときもだけど、できなくても」
周平「わかるわかる」
研磨「………気持ちいいのは好きじゃないの?」
カズ「…好きだけど」
……………。
カズ「義務になるのはいやだ」
周平「まーなー(それ、好きなやつが言うことじゃん。笑)
ま、まだ小学生だし、それで稼がないといけないわけじゃないからさ、
気楽にやってみればって思うけどねー」
カズ「…ん。………研磨はどう思う?」
研磨「………わかんない。
…けど、カズマみてるとやってみれば、とは思うかな」
カズ「………。ん。」
・
・
・
クロ「カズくんは妙に懐いてるねェ」
研磨「…別に」
クロ「でもちょっと、先輩っつーか兄貴っぽ…」
研磨「は?ちょっとやめてよ。そういうこと言わないで」
クロ「………ていうかさ」
研磨「………」
クロ「何も変わんねぇじゃん、人見知りなくなるわけでも、口数が増えるわけでも、
表情が豊かになるわけでも、バレーにやる気が出るわけでもないだろ、研磨」
研磨「………」
クロ「穂波ちゃんといちゃこらしてるときは、なんかアイテムでも装備してんの?」
研磨「…アイテム装備(わくわく)」
クロ「装備してると、周りの目が気にならない。みたいな」
研磨「……は?」
クロ「普通に後ろから抱きついたりさ、脚の間に挟んだり、してたっしょ。
道端とかで会っても腕組んだままだったりするし。
学校でもいろいろやらかしてるし」
研磨「………」
…よくわかんないけど、ほんとに気にならないんだよな。
…アイテム………
(わくわく)