第6章 層
「ノッてきたかも…」
そういってステアを飛び続けるカズくんを保護者の如く見守って、
ちょっと遅くなっちゃったけど公園を出る。
『カズくんはさ、スケボーで友達できたりする?
みんな話しかけてくるでしょ』
「…んー、興味ないし話さないから」
うまいしクールだし、話しかけ続けれる子も少ないか…
研磨くんもそんな感じかな。
バレー部の他の学校の子たちとも別に親しい子はいないってクロさん言ってたな。
『あ、そうだ。周平ってわかる?』
カズくんが周平に最後会ったのは年長さんのときだ。
「うん、写真とかで。スノボの?」
『今日家に来てるみたいなんだけどカズくんも寄ってく?』
「…え。いい。」
『だよね。笑 スポンサーのこととかイメージ湧いてる?』
「…ん。多分受けるけど………研磨は来れないの?」
『来れても夕方だと思うけど、声かけてみよっか』
「うん。一回帰って、研磨がくるならまた行く。」
…ほんと研磨くんのことが大好きなんだなぁ。
公園に来て、こんなに幅広い世代の人たちに話しかけられて、
友達一人も作らないのに。
BBQで会った研磨くんに懐いてる。
地下鉄降りる前に研磨くんにメールを送っておく。
昨日体育祭だったし、疲れてるから来ないだろうなァと思いつつ
カズくんの想いに押されて。
地下鉄から乗り換えの駅で上に上がって、
そこからはまた軽く流しながら家に向かう。
ヴッヴッヴッ
ポーチの中で携帯が鳴る
『カズくーん。ちょっと待って〜』
止まって携帯を出すと研磨くんから着信。
「もしもし、穂波?」
『研磨くん、今休憩?』
「ううん、今日午前で終わり。…家、いこうかな。カズくんに会いに」
…笑。周平にじゃないってことかな…笑
『…ん、喜ぶよ。2階で過ごしてもいいし。
今ね、スケボーで家まで向かってるとこだから駅で待ってようかな。』
「…ん。もうすぐこっちの駅着くから、すぐ乗れると思う」
『はーい。クロさんも良ければ一緒においでね』
「…ん」
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そばでデッキに座って電話が終わるのを待っていたカズくんに伝えると
かわいいなぁ、すごく嬉しそうにしてた。
駅まで安全走行で向かう