第6章 層
『…うん』
ぎゅっと強く抱きしめてくれる。
汗の匂い…思わず深く息を吸う
「おれ、自分がこんな風になるなんて思ってなかった。
穂波のことは何にも不安じゃない。嫌じゃない。穂波はいつも真っ直ぐだから。
でも他の男が好意を持って穂波に近くのが嫌だった…のかな。
まだよくわかんない」
………体育祭の片付けの時のことか。
別に□さんは別にわたしに好意があるわけじゃないと思うんだけど…
「すごい、めんどくさい」
『…何が?』
「おれが」
『………』
「シたい。穂波のこと触りたい」
『………』
「でも………ここではいやだ」
『………』
研磨くんが、いっぱい喋ってる。
苦しいのかな。
どうしたらいいかな。
考えてもわからないから
本当のことを言うしかない
『研磨くんが大好きだよ。
見たことない研磨くんもたくさんみたい。知りたい』
『………わたしは、研磨くんの気持ちがあれば、どこでもいいよ?』
「………」
部活始まる前から無性にドキドキしてた。
求められてる感じがすごく伝わってきて…
研磨くんのオスっ気に身体がじんじんする感じ