第6章 層
ー研磨sideー
休憩と練習後と、穂波がドリンクを渡してくれるので、
みんないつもは自分で取るくせに、並んで待ってた。
周りが見えなくなる時はすごいけど、
普段は冷静で幅広くを捉えてる穂波だから、
いつもいない人が練習にいても邪魔じゃなかった。
ただ問題は、その後。
ペアストレッチの時に山本が腹痛でトイレに駆け込んだ。
福永は一人でも構わず続けてたけど、穂波が補助することになる。
夜久くんに福永の補助してもらって、
穂波にはおれのとこに来てもらおうとしたけど、断られた。
刺激が強いからって言ってたけど…
たぶん汗のことなんだろな。
別に勝手にムラムラしてもらっておれは一向に構わないけど…
福永の補助をするってことは、
穂波は片脚とはいえ福永に跨るわけだし、
おしりとか膝とか腿も触れて抑える。
練習着のままだから脚結構出てるし、穂波の手が直接福永の肌に触れたりする。
今日のサッカー部の2年とは違って、
福永だし、別に嫌な気持ちはしないけど、
でもやっぱなんか、何でもない、とは程遠い感じ。
あー、最近おれの中がうるさい。あーだこーだあーだこーだ。
穂波はペアストレッチに慣れてるみたいで、
傍目に見てるだけでも、福永気持ちいいだろうなって思った。
福永は撫でられてる猫みたいな顔してストレッチしてる。
「なぁ、福永。ペアストレッチどうだった?」
部室で夜久くんが聞く。
福永はグッ!みたいなポーズだけで答える。
夜久「だよなぁ。あれ穂波ちゃんだから、とか女子だからとかじゃなくていいなぁって思ったもん」
海「確かに、慣れてたな」
夜久「慣れてるってだけじゃないじゃん〜やっぱ何かさ、感覚みたいな」
クロ「あるだろうねェ…」
夜久「研磨のとこ行かなかった理由はなんなんだろ」
海「刺激が強い…とか言ってたな」
研磨「………」
クロ「………研磨、今日部室の鍵頼むわ。」
研磨「…は?なんで」
クロ「…なんとなく。また難しい顔してるし。体育館のだけ返しとくわ〜。
じゃ、疲れたので俺は先に帰るな〜 研磨部室掃除頼む〜」
研磨「は?…ちょっと、クロ」
みんなも、じゃ!とか言って出てくし。
………意味わかんない