第2章 芽生え
研磨(彼氏といえば彼氏ってなんだろ…?)
クロ(エロいヘルシー美人はそんなにいろいろオープンなの……??)
「なにそれ、どゆこと?」
『今日久々に晴れたから、早朝から親とサーフィン行ってきたの。
それで、濡れてる。親の都合で今日はここで乗車したの』
そっか。そういうことか。
「…サーフィン、楽しかった?」
『うん、気持ちよかった。
太陽と海に抱かれてきたよぅ。
そうだ、研磨くんに、うちのお母さん会いたがってる。』
クロ(?)
「…え。なんで」
『わかんないけど、会ってみたいんだって。
〇〇駅にお店も家もあるから、良ければ会いにきてね。
「……」
『あ、お母さんに会いに来なくてもいいんだけど、
夏休みとか、わたしが研磨くんに会えたらとても嬉しい。』
クロ(!?)
「…うん。…また場所教えて」
クロ(!?!?!?!?場所教えてーーーー!?!?!?)
『そうだ、研磨くん、連絡先、交換してくれる?』
「…あ、そだね。…ん。」
(わかんねぇ、まったくわかんねぇ)
「店ってなにー?ご両親がやってるの?」
『うん、元はお祖父ちゃんのお店で、いまは両親がやってる、
サーフショップ。クロさん、興味ある?』
「なくもないけど、あるってわけでも。海は好き。」
『そっか。機会があればお店、覗いてみてね。研磨くんとクロさんはなに駅から乗るの?』
「…△△駅(穂波の家のある駅の二つ前)」
『ふぇ!近いんだね。なんで今まで会わなかったんだろ。』
「…朝練とか、…あったからかな。」
『あ、そっかそっか!そだね。
今日はないの?あ、テスト前?』
「…うん。」
「状況によっては、テスト前でも部活あるんだけどさ、
今は3年が引退して、次の試合みても一学期末は区切りもいいし、休みになったんだよ」
「…?」
穂波さんの顔がぱぁぁぁっと明るくなる。
『研磨くん、テスト前の間だけ、朝一緒に学校行かない?
帰りも、、、いやじゃなければっ』
「…うん、いいね。…一緒に行こ」
クロ(!?!?研磨が、おれの知らない研磨がここに!!)
『クロさん、いいかな?』
「俺?おぉ、もちろんもちろん」
『やった、嬉しい。』
ほら、また。太陽みたいに笑う。