第6章 層
ー穂波sideー
研磨くんとお弁当を食べていたら
隣のクラスの子に話しかけられた。
玄関に△○高校の生徒がきてて、わたしを呼んでるって。
…誰だろう?わかんないけど、スケボーもってるって言ってたし、
どこかのパークとか海で話した子かもしれない。
『…んー、わかんないけど、玄関なら人もいるし大丈夫じゃないかな。
研磨くん、ちょっと行ってくるね』
小走りで玄関に向かうと…
『周平?……周平!』
よーく知った顔がそこにあった。
「穂波!会いにきた〜!」
びっくりして、動けない。
「穂波〜?リアクションなし〜?」
『………いや、本気でびっくりしてるリアクション、これ。
………いつ帰って来たの?』
少し距離のある状態で話を続ける
「一昨日、土曜!向こうのターム終わって遊んでたら、こっちの新学期もう始まってた。笑」
『…それは少しも驚かないけど……笑』
△○高校なんて全国トップレベルの高校に、
スケボー持って登校して、
今日、多分初日?早速サボって、ここまで来てる。
でも、多分、いや絶対、成績は落ちない。学内でもトップの方にいつもいるんだろ。
そこにはなんにも驚かないけど…
「…ほれ、帰ってきた人にかける言葉ぁ?」
周平の方に向かって歩く。
『おかえり、周平』
久しぶりの再会にビッグハグを。
「あぁ柔らかー、穂波も会わないうちに女になったな。
ちょいとお尻触らせて〜」
なんてふざけたことを言いながら、
本当に手が下へ這い降りてくるので後ろ手にはたいて身体を離す。
『ふざけすぎ』
「ははっ、いつものことじゃん」
『いつもも何も3年ぶり。一回も帰ってこないんだもん』
「…だって、ちょー楽しかったんだもん」
『お元気そうで何よりです』
「笑 条件だったから帰ってきてこれからみっちり日本の高校生活。
でも穂波いるから楽しいかも〜」
『学校、抜けてきたんでしょ?初日から』
「笑 バレた?」
『バレたも何も』
「…穂波、男できた?……色気にむらむらするわ。いないなら俺と♪」
『あ、紹介するね。同じ学校だから。…ちょっと待っててね』