第39章 scenes
ー研磨sideー
「なぁ、研磨ちょっといい?」
BBQしてる中クロに呼び出される。
階段上がったとこのスペースまでわざわざ。
「……」
「部屋行ってる間に何があった?」
「…え 別に何も」
「なんでそんな2人の顔つきが変わってんの?プロポーズでもした?」
「は?」
「なんつーか、箔があるっつーか。なんか違うぞお前ら」
「……」
「まぁ無理には聞き出さねーけど。
俺もアパートに引っ越すしさ、どうせ東京だから会えるけども。
今までみたいにはいかねーから、いっぺん聞いとこうと思っただけ」
「……」
「……」
「…ナカに出した」
「…」
「…」
「…はっ?えっ? ちょっと待て…」
「…別に何も急かしてないけど」
「…何でそんな落ち着いてんの?」
「…」
「…つーか、ゴムは着けろって」
「いつも着けてるよ、ちゃんと。ほんとに」
「…で、着けなかった一回で中出ししたの?」
「うん」
「…なに喧嘩? 研磨無理やりとかじゃねーだろ?」
「うん そういうんじゃない。 ゴム、下に降りなきゃなくって」
「…」
「あー今いれたいのになって思ってたら挿れちゃってた」
「…おい」
「…で、気付いてすぐ抜こうとしたんだけど、このままキスだけしたいってなって」
「穂波ちゃんが?」
「うん。それで、キスしてたらもう忘れちゃってた。
普通に、ゴムしてる時みたいにしちゃった」
「…で? どーすんの」
「色々話して、赤ちゃんできてたら産んで育てる」
「…」
「仕事は、大丈夫。絶対、成功させる」
「…」
「…そんな感じ。
できるかはわかんないけど、そっちを想定して色々考えてる」
「…ナル ホド……」
「…ん いいよ怒るなら怒って。
こんな頼りない状態でも何一つ怖くないって言ってくれてる穂波がいるから。
誰に何を言われてもおれ、別に、平気。やれることやるしかない」
「いや怒んねーけど」
「…」
「なんつーか」
「…」
「なんでもねーわ。 結果聞かせろよ。 いつわかんの?」
「2週間後くらい、かな」
「…で、スケボーはだめ、と」
「…」
わかってるよ、気が早いのも過保護なのも。
でもなんか、もしかしたらお腹で生命が始まってるかもって思ったら。
気が付いたらそう口に出てた。