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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第39章 scenes








『えっ? 何言ってるのカズくん』

「いや何言ってるの穂波」

『京治くんくんには好きな人がいるんだよ。
大切に大切に想ってる人が』

「………」

『いつか、そんなことがあったら紹介してもらうんだ』

「付き合ってないの?」

『うん。勝手に色々話すことはできないけど、すごく素敵な恋なんだよ』

「…他校」

『え?』

「その子は他校で、同学年、彼氏がいるけど想ってる。とか?」

『………』






なんでそんなこと、分かるんだろ。






「…当たりだね」

『………』

「…明日スケボーいける?」

『あ、う…』

「あ、カズマ、明日は穂波スケボー行けない」






ふっと研磨くんが会話に入ってくる。






「…? 研磨たち明日休みなの?」

「いや、おれらは部活だけど、穂波も……ちょっと」

『……滑らないけど、カズくんのスケボーみたいな。
カズくんまた春休み国外に出ちゃうし。いいかな、研磨くん。滑らないから』

「…ん」






研磨くん1ミリも、なんていうか、そういうこと考えてないんだな。
なんていうか… 転んで自然に、とか、そういう、こと。







「…なんか変な研磨」

「…別に普通だけど」

「ま、いいや。穂波、マンゴスチンの皮で染め物できるらしいよ」

『そうなの!えーじゃあやろうやろう。カズくんもする?』

「うん、明日やろっか。穂波滑らないなら半日でいい」

『うん』






カズくんもまた、どんどんかっこよくなっていく。
さりげない気遣いが際立つようになってきた。
会話の内容も、ドンピシャだったりして。






音駒のみんなとカズくん、周平、ツトムくん。
出先から帰ってきたうちの両親、
それからカズくんと周平の両親も来て、
みんなで夜は外でBBQをして過ごした。







そんなつもりはなかったけど、
クロさん、海さん、夜久さん、
それからバイトも辞めてカメラマンとして歩き出すツトムくんの
壮行会みたいな、そんな風に感じる時があって、
時折胸がどうしようもなくきゅんとした。







春は、やっぱり特別な季節だな。









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