第39章 scenes
ー研磨sideー
穂波の話は別に、自分に言い聞かせてるわけでも、
妙に励ましてる感じがあるわけでもなくて、
本当に、心からそう思ってるって感じがした。
おれも、今すぐにできることは…、とか
そのために少し協力を得ないといけない事柄とか、
考えられること、現実的なことを話した。
『…ん。 研磨くんが、じゃあおれ就職するって言ってたら、
ちょっと迷ったかもって思うんだけど』
「………」
『今聞いた全部が研磨くんのままでできそうで、
それでいてすごく現実的だった』
「………」
『…だから、うん。気持ちに変わりはないかな』
「…おれも。
穂波には好きなことしていてもらいたいけど、
子供がいてもそれができるように、
そのくらいは稼げるようになるつもりだし、
順番が前後するくらいなのかな、って穂波の話聞いて思った。から、変わらない」
『………』
「………」
『…じゃあ、ひとまず、生理が来るかどうかということになるのか、な?』
「…なのかな おれやっぱよくわかってないや、その、女の人の身体のこと。
ちょっと今から調べる」
『………』
なんとなくの知識でしかなくて、
いつもそばにいる穂波に置き換えて考えたことなんてなかった。
穂波は生理が軽い、らしいから。
それもちょっとよくわかんないけど、だから、寝込んだりとか痛がったりとかなくって。
だから余計にかな、あまり、気にしたことなかった。
排卵がおきてその約2週間後に生理が来るのか。
じゃあ、2週間後にはわかるってこと?
「穂波はこの、生理不順とかはないの?」
『うん、ほぼないと言える』
「…ほぼ?」
『予定ではこの日でも、その日に例えばダンスの発表会とかあるとこなかったりする。
その日の夜とか、次の日の朝にくる。
そういうちょっとしたズレはあるけど、何日も来ないとかはない』
「そっか」
2週間後、か。
なんだろう、ほんとに一つも不安がない。