第39章 scenes
「…ん? ごめん、やっぱおれ結構こんがらがってる。
話が行ったり来たりしそう、ごめん」
『ううん、全然。 わたし…』
泣いてる場合じゃない。
こんなに真剣に、今この状況での選択肢を広げるために
一つ一つクリアにしていこうとしてくれてるのに。
泣いて足止めしてる場合じゃない。
「…ん? なんでも話してね」
『うん。 わたし研磨くんの彼女になれて嬉しい』
「…ん。 おれも。 おれも、一緒」
『…ん。 それで、行ったり来たりの話はなんだった?遮っちゃった』
「あ、いや、まずアフターピルのことやっぱ調べる。 期限があるかもしれないから。
それから、もし赤ちゃんできた場合、どうしてくかとか話してそれから決めよう」
『うん』
もし赤ちゃんがやってきてくれたら、高校はどっちでもいい。
親と学校が良いよって言ってくれて、体調も安定してるなら行くだろうし
無理なら無理ですることはあるはず。高卒認定試験とか…聞いたことあるし。
大学は、どうにでもなる。
お父さんの友達のAllyみたいなことだって不可能じゃない。
行かなくても良いし、後から行きたくなったらその時またその気持ちに向き合えば良い。
「…120時間以内。 わりと時間あるけど、病院行ってすぐでるものなのかな。
あ、24時間以内がやっぱりいいんだね、効果を得るには。
ていうか排卵日って、なに? 穂波はいつとかわかるの?」
『…んと、わたしはまさに今ぐらいかな?』
「………」
『…てことは、アフターピルって意味ないのかな』
「んーちょっとよくわかんないな… 調べよっか」
『ううん、いい。 研磨くんがさっき言ってた次の段階の話しよう。
その話をしてみて、やっぱり病院行こうってなったら、
その時に調べるか聞けばいいよね。行くとしたら… 明後日?』
「今日は? あ、土曜か。 でも総合病院とか」
『うん。そうだね、飲むなら早いほうがいいんだもんね。
じゃあ飲むかどうか決めるために次の段階の話をする…のかな?
わたしはね、…』
今考えれるだけのことを、とりあえず伝える。
どうやってもわたしたちだけでどうこうできることじゃないから
やっぱりまだまだ子供だなって改めて思い知る。
けど、ほんと。
研磨くんに出会えてよかった。