第39章 scenes

ー研磨sideー






今日まで関係者とあとおれ以外知らない
ゲリラライブのことを
卒業式のあと、HRで１、２年に伝えられた。

見たかったら見てけ、的な意味で。
あと３年には間違ってもメールとかで伝えるな、
つまりはSNSでの報告も今はだめだぞ。って




教室から出る生徒は誰もいなくて
それから音が鳴り出した途端すごい騒ぎになった。

中庭に飛び出す一年、
窓際でわんさかしてるクラスメート。

おれは…穂波のこと渡り廊下の横から見る。
焼きマシュマロたちが、運営の人に話しつけてくれたらしいから。
クロたちはどこで見てくかな。
一応メールしとく。




【渡り廊下の横にいる。もし来るならメールして】




すぐ返事が来た。




【夜久と行く。海は彼女とみるってさ〜】




そうこうしてたら２人が来て、一緒に横から眺める。
一曲目は簡易な楽器でやってたのを
そのあとMCで繋いでる間にドラムセット運んだり、
キーボード運んだり、他にもなんかいろんな楽器とか機材運んで。
線とかつないで２曲目が始まる。




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英語の歌を何曲か歌って、
３月９日ってちょっと卒業っぽいの歌って、
それからもう一回最後にーって
最初に歌ったありがとうって歌を歌ってた。





中庭とか教室から一緒に歌う声が大きく聞こえて、
すごい盛り上がったっぽい。
おれここにいるから、みてないけど、音だけでわかる。






卒業生にも、
その家族にもこの後予定があるだろうからって、
そんな長くはしないって言ってたな。

だから数曲やって楽器は置いたままはける。
穂波はおれを見つけて
焼きマシュマロたちが歩いてく方向と反対側のおれのいる方に走ってくる。

それからクロと夜久くんにも抱きついてた。






アンコールがかかっても穂波はにこにこと行く気なくって。
金髪が来て、わたしは遠慮しますとか言ってたけど結局連れてかれてった。






「すみませーん！アンコール用意してなくってー！
なんかリクエストありますかー？」







金髪が言うといろんな声が飛ぶ。
穂波に踊ってーって言う声も結構聞こえてくる。