第38章 シロワニ
ー穂波sideー
あー楽しかった!
やっぱり生音で踊るのは楽しい。
特にセッションで踊るのは気持ち良すぎる。
語弊を生じるかもしれないけど、
ミュージシャンとセックスしてるような、そんな気持ち良さがある。
みんなが誕生日おめでとーって拍手してくれてなんだか照れちゃったけど…
踊り終えたら研磨くんのとこにまっすぐ足が向かう
足が向かうのこそ今だけど、
心はもうずっと研磨くんのところにあった。
踊ってる間、ずっとずっと。
研磨くんに出会う前は海や風を想ってたのに。
今はもうそれを超越して研磨くんでいっぱい。
ぎゅーって抱きつくと
研磨くんは ん、 とだけ言って腰に腕を回してギュッてしてくれる。
それから額を合わせ、互いの目を見つめる
鼻と鼻が掠めあって、お互いの息遣いを感じながら
唇が触れそうで触れなくって…
今すぐ欲しいけど、
でもこの焦ったい時間が永遠に続くといいなってくらいすき。
ああでももう、もう我慢できない…
唇が触れる…
あ、でもやっぱりもうちょっと我慢…
なんてできない。
一度触れてしまえば、
身体が勝手にもっともっとと研磨くんを求める。
いつもいつだって研磨くんとのキスは最高だ。
いつもいつだって研磨くんとの時間は最高だ。
アップダウンなんてない。
比較する昨日もない。
レイヤーがどんどん積み重ねられて、
ただただ最高が更新されていく。
だから昨日も一年前も、今も、いつだって最高。