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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第38章 シロワニ







「あーぁ、泣いちゃった」

「泣け泣けー!この際もっと泣けー!」





がやがやとみんながなんか言って
穂波は うわーーーん って子供みたいに泣いた





少し落ち着いたところで焼きマシュマロのピアノ弾くやつがなんか適当に弾き出して。
アップテンポなやつ。
多分穂波が泣き止むようなやつ。





そしたらさも当然かのようにギターと打楽器のやつも音を出し始める。
セッションってやつだ。

楽器ができるのってかっこいいなって思った。

練習した演奏もかっこいいのはかっこいいけど
こうやって自由に好きに音を出してそれっぽくなるっていうのはほんとにかっこいいな、とか。




穂波の涙も自然とおさまって。





「ひゃほー! 穂波さん、踊ってよ!」





金髪のギターのやつがそう言うと
穂波はシューズを脱いで靴下も脱いで
裸足で気持ちよさそうに踊り出す。




フラじゃなくて
そりゃもちろフラの要素も入ってるんだろうけど
でもそういうジャンルに括られない
自由で奔放で綺麗に、それから本当に楽しそうに舞ってる。




くるくる くるくる回るものだから
下着が普通に見えたりするけど…
この舞を誰が止めれるだろう、っていう感じ。
上に開脚なんてしようものならそれは流石に止めるけど
くるくる回ってちらっと見えるくらいもういいやって感じ。

それだけ、見てたいと思わせる、穂波の踊り。




いつの間にか昼休みは終わってて
廊下掃除の生徒が集まってきて。
それがどんどん広がって、掃除の終わりのチャイムがなる頃には
すごい、いっぱい人が集まってた。





「Give it up for a birthday girl 穂波さん〜!」





ピアノ弾いてたやつがすごい綺麗な英語で言う。
でもちょっと意味がわかんない。





「バースデーガールの穂波さんに!」





金髪がそう言いながら拍手をするとわぁーって拍手が起こる。
穂波はスカートの裾をつまんで軽く持ち上げ
わざとらしく愛嬌たっぷりに礼をしてそれから…





おれのとこに走ってくる。





いつもいつも、どうしてこんなに当たり前に
おれのところに真っ直ぐ帰ってくるんだろう。







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