第38章 シロワニ
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熱いシャワーを浴びて、ご飯。
シゲさんは撮影で早朝に出発。
心さんは友達とモーニングしてからそのまま仕事の打ち合わせに行くって。
クロワッサン(普通のと全粒粉のと)、コーンポタージュ、ひじきと紫玉ねぎのサラダ
紫キャベツのマリネ、スクランブルエッグ、ベーコン焼いたやつ
「…このベーコン、うま」
『ねー!美味しいねぇ。 これお父さんとお友達でもくもくと燻したやつ』
「え、シゲさんが作ったの?」
『うん、この間鎌倉に行ったときに友達とやったんだって。
覚えてるかな、結構前に鮎の燻製食べたの。あの、お友達と』
「あぁ、釣りが好きな人だっけ」
『そうそう。今度研磨くんも一緒にやったらいいね。
チーズとかナッツとか。 研磨くんのお母さん喜びそう』
「…? あぁ、酒のつまみになるってこと? たしかに、喜びそう」
『ね! あ、じゃあさ、今年の母の日、一緒に用意しようよ!』
「え?」
母の日… 自分から特に何もしたことないな。
父さんが用意したものを渡したりするくらい。
普通に父さんが渡すときも結構あるし…
『5月。ちょうどわたし達のお母さん2人ともお酒好きだから。
その辺りで燻製教えてもらおうよ』
「…ん、いいね。 じゃあ、それで」
普通に言うし、普通にいいねって思うけど。
2人から2人の母親に、って、なんか普通の彼氏彼女でやることなのかなとか。
まぁ、おれらにとってはそれが普通だから、別にいいんだけど。
クロワッサンもおかずも、全部美味しかった。
持って来ておいた制服に着替えて家を出る。