第38章 シロワニ
ー研磨sideー
お腹はち切れるかと思った。
何であんなに食べちゃったんだろ…
美味しくて、さっぱりしてて、それからやっぱあの形かな。
一個ずつのまとまり方っていうか。
もう一個いけそう、みたいな。
お風呂に入る気が起きなくって、
ソファでしばらくゴロゴロしてた。
お腹がいっぱいだからおいでってできないし、
お互いに足をソファの中心に向けて端に座って、
指とか足でお互いの足に触りながらいつも通り。
おれはゲーム。
穂波はペンとノートを手に何かを書いてる。
・
・
・
…あれ?
また寝てた。
満腹と部屋の暖かさと。
2つ揃えば眠りに誘うのは容易い。
それに加えて今日は外出したし。
三拍子揃って…
言い訳じゃないけどそんなことを思う。
穂波も寝てるし。
薪足そう…ちょっと寒い。
籠に畳んで置いてある大判のブランケットを穂波にかけて、
ストーブに薪を焚べる。
水を一杯ごくごく飲んで、風呂、洗うか…
まだ心さんたち帰ってきてないんだな。
っていうか今何時だ?
お湯張りボタンを押してリビングに戻り、
時計をみると21時半。
普通に寝ようと思ってたけど、日付変わるまで起きてられるかもな。
穂波は早寝だけど…たまにはいいよね。
穂波にグラス一杯水をいれて、
ソファのとこに行く。
低めのスツールを持ってきて起こす前にちょっと、
寝顔を見ることにする。
穂波けっこう寝言いうんだよな。
おれの名前呼んだり、すきって言ったり、こっちきてって言ったり。
夢の中で何してるの?っていう意味わかんないこと言ったりもするけど。
そっち系の寝言はクロの方が多い。
クロは結構意味わかんない寝言言う。
声量とかもすごい時があって、結構びっくりする。
『生まれ変わったら… 鯨になりたい……』
…え? くじらになりたいの?
どんな夢、見てるんだろ。
穂波なら鯨になれると思うよ。
そしたらおれは何になればもう一度会えるかな。