第38章 シロワニ
ー穂波sideー
「…明日、水族館いく?」
別々でお風呂に入って、
部屋でだらだらとして、
それからどちらともなく求め合って…
今は裸で布団をかぶってごろごろ。
『うん。行く』
「…ふ 笑 即答」
『水族館とか久々だな』
「ほんとはもっと自然っぽいとこ行きたいけど。まぁ今はね」
『…?』
「行きたいとこある? スカイツリーのとことか行った?」
『ううん、行ったことない』
「行きたい?」
『行きたいか行きたくないかと聞かれたら行きたいけど…
でもしながわ水族館がいいな』
「うん、おれもなんとなくそう思ってた。 じゃあ明日はそこ行こ」
『うん。 嬉しい。 研磨くんありがとう』
「…ん」
『ふぁぁ……』
「ふぁ〜……」
2人そろって大きな欠伸。
「ネムイ… おやすみ、穂波」
『…ん。 おやすみ、研磨くん』
ふわっと唇が重なり、そのまま吸い付くようにキスをして。
ゆっくりと離れてく。
肩まですっぽり布団をかぶって、肌を寄せて目を瞑る。
・
・
・
二度寝から覚めると、
今日も研磨くんの抱き枕になってて。
…幸せ。
そして、研磨くんはもう起きて、
わたしの頭の向こう側を見ながらゲームをしてる。
しばし、息を潜めて至近距離で研磨くんのゲーム姿を…
「…笑 穂波、おはよう」
『あ、 研磨くんおはよう』
起きてるのバレてたか。
研磨くんは額にチュッとキスを落として、
それからゲームを続ける。
ううう… この、起きたことでゲームやめちゃわない感じも、
起きたからって抱き枕解放するわけじゃない感じも、 幸せすぎるのだ…
わたしは研磨くんの腰に腕を回して
胸元に顔を埋める。
研磨くんの匂い。
すんすん すんすん。
「…笑 においすぎ、それにちょっとくすぐったい」
朝から研磨くんの笑い声。
ここは楽園か。
大好きな人と同じベッドで迎える朝は楽園だ。
So I’ll start revolution from my bed...
世界平和も夢じゃない気がするほどの、楽園。