第37章 powder
ー穂波sideー
2月15日(金)
昨日の夜リビングに置きっぱなしだった携帯を、
今朝起きていろいろを済ませてから開いてみると治くんからLINEが入ってた。
【今日はフォンダンショコラ食ったで。むっちゃ旨かった。ありがとう。
惣菜もめっちゃテンション上がったんやけど。週末食べるわ。
穂波ちゃんはハッピーターンみたいやな、て思った】
ハッピーターンみたい…?
【治くん、おはよう。そして、ありがとう。
ハッピーターンの件、もう少し聞かせてもらえると嬉しいです。】
返事を入れとく。
【おはよー ハッピーターンの粉なんて呼ばれてるか知っとる?】
ハッピーターンの粉…?
あの周りについてるやつ?
【知らない〜】
【ハッピーパウダー】
【まんまだ 笑】
【あれ、旨いやん。ほんで中毒性あるんやってあれ。
穂波ちゃんも旨いし、中毒性あるし、それからハッピーにするやろ、人のこと。
やからハッピーターンっぽい。 こんがり焼けとるしな。
穂波ちゃんは振りまいてんねな、ハッピーパウダー】
……ハッピーパウダー
【…うん。 ありがとう? 今日ハッピーターン買ってみる】
【やな。 俺も食いたなった。 今日の朝ごはん何?】
【おかゆさんとお供いろいろ】
【あほちゃう。 いちいちなんなん。 お供なにがあるん?】
【梅干し、塩昆布、白菜漬け、海苔の佃煮、しらす】
【しらす? うまそうやな、卵は入れんの?】
【今日は入れない】
【ふーん。 いつか食わせてな。 じゃあ、また弁当のおかず教えてな】
わたしも大概、食べるのが好きだから、
治くんとはほんと、この手の話を延々続けている。
よーし、おかゆさん食べて、お弁当のおかず詰めようっと。