第37章 powder
ー穂波sideー
『…ふふ。 やったぁ。 よかった』
美味しいは嬉しい。
自分が美味しいものを食べるのも、
人がおいしいと言ってくれるのも。
そして研磨くんのそれは、特別にもっと、嬉しい。
「…これって相当時間かかるよね」
『相当ってほどでもないけど、ぼちぼちかかるね。スーパーフードだ』
「…スーパーフード」
『ゲームだとなにかな。 なんとかの実、とか』
「………」
あ、わくわく顔。 かわいい。
今日は放課後、部活のお手伝いをさせてもらう。
そのあと、バレー部のみんなにチョコレート的なものを渡そうかなと。
みんなにって、一年生のマネちゃん2人にも。
研磨くんや日本の人たちにそれを求めはしないけど、
アメリカや西洋ではバレンタインは
男性が女性にお花やディナーをプレゼントするパターンの方がが圧倒的に多い。
日本にはうん、それはあまり習慣化されないだろうし、
今のバレンタインの形が日本らしくて大好きだけど、
海外の友達や知人から、
バレンタインは子供を預けてディナーに連れて行ってもらった、とか、
花束をくれて、それから夕飯を作ってくれた、とか。
そういう話をきくと毎年の如く、きゅうううんとする。
かくいうわたしの親も、クリスマス同様バレンタインは家を空けることが多いのだけど。
今年はいろんなところに発送もした。
昨日はクロさんの家でチューターの日だったから、
お母さんにお願いしておいた。
今日着で、あっちやこっちへ。