第37章 powder
ー月島sideー
湯上がりの穂波さんはエロい。
合宿時の湯上がりとはわけが違う。
…あれも十分よかったけど
ほくほく感が違うというか…
ほんとに芯からあったまったんだな、って感じ。
身体の中心が熱くなっているこの感じ。まるでそれは…
それから普通に浴衣はまずい
やっぱ、エロい
はぁ… 抱けないなんて何の拷問なわけ。
僕16歳の男子高生なんだけど…
って何もしないからって誘ったのも僕なわけで
…自業自得。
ゲレンデは特に親や孤爪さんからの制約ないはずだからキスしたけど。
流石に部屋の中ではダメだよな、そもそも止まれる気がしない
机にマップを広げて明日の予定を立ててて。
向かいに座ってる穂波さんが机に両肘をついて少し前屈みになってマップを覗き込む。
谷間… いや目が行くでしょ、どうしても。
いくら僕でも好きな人の谷間がそこにあったら見てしまう
「…隣行ってもいいですか」
『あ、そうだよね、わたし向きにしてくれててありがとう』
「いや、それはいいんだけど」
『…やっぱり蛍くんとゆっくりザンゲ坂から樹氷原コースは滑りたいな』
「うん。朝一行くのもいいかもね。眺めもいいだろうし。リフト混む前に」
『ね。朝起きて、お風呂入って、ご飯食べて、チェックアウトして…って感じかな』
「だね。温泉の入れ替えが6:50なのがちょっと惜しいね」
『あーそっかぁ。 でも…』
「早めに切り上げれたら、バス乗る前に日帰り入浴ではいろっか」
『うん!』
「僕は横倉の壁がすごい楽しみ。 朝一いかなくていい?」
『うん。蛍くんとゆっくりしたい』
…だからほんといちいち、なんなわけ
「まぁ、横倉の壁はそんな混み合うとこじゃないし。
できる人すごい限られるだろうから」
『うん、わたしはまだできる人じゃないけどね。挑戦する人』
「…そうだった。転がり落ちてきたとしても楽しみだな」
『距離は短いんだよね?』
「うん、250m」
『ほぇー短い。38度。あっという間だね』
比喩ではなく心臓が浮くような感覚になりそう。
滑るというより落ちるに近い斜度だと思う。
穂波さんは自然の怖さを知って敬意をしっかりと持ちながらも
怖いもの知らずな一面を併せ持っている。
魅力的だな、と何度でも。