第37章 powder
ー白布sideー
「...so good luck on your SAT, and keep it up.
Honestly, your English is just perfect」
(じゃあその調子でテスト頑張って。 いやマジで君の英語は完璧)
『Oh,thanks. I could never get here without your guide... I owe you one.
And it’s been lovely talking to you! So...』
(いやほんと、案内してもらえなかったら絶対辿り着けなかった。どうもありがとう。
それにお話楽しかった! じゃあ…)
ちょうど水分補給の小休憩のときに
体育館の入り口あたりで英語で話す声が聞こえる
…声の主はおそらく穂波と若い英語教師。
オーストラリアからきたやつ。ちょっとチャラい感じの
そろーっと扉が開いて、穂波がひょこっと顔を出す。
これから、進学希望じゃない3年生と一緒に練習だから…
「あれあれー? 穂波ちゃんじゃなーい?」
進学は進学だけど大学じゃなくて
製菓の専門学校にいく天童さんもいるわけで。
まぁ、いい。
俺が呼んだんだし、俺に会いに来たんだし。
監督とコーチには報告済みだ。
穂波の方へ歩いて向かう……
俺の横をすごい速さで走ってったのは、五色。
「穂波さん!」
『わぁ、工くん。 お久しぶりです』
「今日もお綺麗です!」
『あはは、ありがとう。 工くん、かっこよくなったね』
「今日はなんで…」
「五色、もう練習始まるから。
穂波、そこから上がって、上で見てて。椅子も置いといた」
『ありがとう、白布くん。
工くん、わたしのことは気にせずに、存分にプレーしてね』
「はい!!」
『監督さんへの挨拶は、練習後の方がいいかな?』
「…まだ開始の合図出てないし、今のうちに行っとくか」
監督とコーチのとこに手短に挨拶をして、上に上がってもらう。
…ほんと、天然人たらし。
監督、全然嫌そうにしてない。
おばあさん家の家柄もあって、どこか品があるんだよな。
だけど快活でよく笑って、なんていうか…
年配の人にも受けがいい感じ