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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第36章 たぬき


ー穂波sideー





『またそのうち買いに行こうね』
「また作ってね」




…ん?




『…ん?』

「あ、うん。またあの辺行くのもいいね。
でも、おれ穂波が焼いたケーキの方が食べたい」

『………』





そういえば昨日お店で、朝ごはん買って帰ってもいい?って聞いたら、
穂波が作ったの食べたいけど ってさらっと研磨くんが言ったんだった。
それで、近くにいた店員さんとお客さんが、きゃーってなってた。

わたしは目の前に並んでるケーキの魅力にそれどころじゃなかったけど…

今思うと… きゅんがすごい。






「…あ、でも」

『…?』

「人が作ったものに興奮してる穂波かわいいから、うん。
もちろん買って食べるのも、店で食べるのもしよう」

『…ん』

「けど…」

『…?』

「これ、こんど穂波バージョンも食べたい」

『うん。作ってみる。アップルストゥーセルケーキ』

「…ん。 おれも欲張りだから。 穂波のことになると特に」

『…ん』





なにこれなにこれ 心臓が持たない 研磨くんが甘い
朝から甘い かっこいい きゃー





「…笑 このヨーグルトにかかってるのは」

『グラノーラ?』

「昨日店に色々売ってたけど買ってなかったね」

『うん、グラノーラは作るのがすきで、あまり買わない。
でもお店に行くと何が入ってるかとか、味付けとか、原材料とかすごいみる』

「…ふ 笑 うん、昨日すっごい見てるな、でも手に取らないんだなって思ってた」

『…バレていたか』





研磨くんの前で隠し通せることなんてきっとないし
隠したいこともないし

大好きな人の瞳に自分を映してもらえるって、それだけでギフトだなぁ…







「穂波、ちょっと足りないかも」

『ほんと?クッキー食べる?パイナップルサブレとね…』

「グラノーラってそのまま食べても美味しいよね?」

『あ、うん』

「じゃあちょっとだけグラノーラおかわりちょうだい」

『…ん』






なんだろう、ほんとに 研磨くんの愛が 沁み入る朝。
たまらない たまらない





…はっ!










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