第36章 たぬき
ー研磨sideー
寝ぼけたまま始めたけど…
相当気持ちよかった
無理やりだったかな…って後になってちょっと思ったけど
穂波の身体も声も表情もぜんぶ大丈夫だった
風呂に入りたいとこだけど朝練もあるし、って
一緒に熱いシャワーを浴びていろいろ支度する。
昨日穂波が洗濯してくれたジャージを鞄に入れたりとか、それくらいだけど。
制服はご飯食べてから着たいからいまは部屋着のまま
『研磨くん、食べれますか?』
「…ん」
カリフラワーのポタージュ、ボイルしたウインナーと粒マスタード、
具沢山のサラダ(リーフ、ブロッコリー、にんじんラペ、オリーブ、ケーパー、ドライトマト、茹で卵、ツナ)
ヨーグルト(グラノーラとはちみつ)
昨日買ったケーキ一切れずつ。
(りんごのケーキで上にほろほろでザクザクしたの乗ってるやつ)
『たりなかったら、ナッツバーもクッキーもあるからね』
「…ん。多分大丈夫」
『…そっか』
大丈夫って言われてちょっとシュンとしてるのなんなの。笑
自分で作ったものの時は別にそんな反応しないくせに。
「今日、学校で食べれたら食べようよ」
『うん!』
「放課後部活前とか。穂波もレッスンあるし」
『うん!』
分かり易いな… かわいい
「いただきます。今日はピンクペッパーじゃないんだね」
『うん。クミンシードにしてみた』
「…クミン あ、カレーの味」
『うんうん。カレーには欠かせないやつ。カリフラワーと合うよね』
「…ん。 おいし」
こういう朝ごはんふつーに作るくせに、
何でほんと外食はおじさん寄りなんだ?
だからなのかな? 家でできない感じ?
あ、でもカフェとかも普通にいってるか。
でもそれはスタジオがあるから、だよね…
単純にほんとに酒飲みになるのかも?心さんお酒すきだし
あ、でもあのドラマの主人公はお酒飲んでなかったな。
『…研磨くん?』
「…ん?」
『呼んだだけだよ。ケーキが衝撃的な美味しさ』
「…ふ 笑 …ん、あ、 うまい」
『…ね!』